小池知事の質問・全文 / 石原氏の回答・全文 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

これは・・・

◇小池知事の質問・全文

平成28年10月7日

石原慎太郎殿

東京都知事小池百合子

貴殿より、豊洲市場の移転に関する調査に協力するため、面会をしたいとの申し出を受け調整中のところ、昨日、報道機関を通じて、書面により質問に回答したいとのご意向を伺いました。

一連の問題を解明するためには、直接会ってお話を聞かせていただくことが重要と考えておりますが、ご意向の趣旨を踏まえ、以下のとおり質問書をお送りしますので、ご協力いただきますようお願い申し上げます。

なお、平成28年10月14日(金)正午までに回答いただけると幸いです。

豊洲市場に関する質問

1 築地の豊洲への移転に関する立地上の問題について

(1)1999年4月23日に東京都知事に就任された後、9月に築地市場を視察し、「築地市場は古くて狭い」「アスベストの危険がある」として、市場として不適切であるとの感想を述べられた。それは、誰からのどのような説明、根拠に基づくものだったのでしょうか。

(2)99年11月、築地市場再整備推進協議会は「検討結果の取りまとめ」で、築地での再整備は困難であり、移転整備へと方向転換した。そして東京都は、同月、直ちに、移転整備先として豊洲を東京ガスに打診<注・2000年6月2日付の東京ガス「弊社豊洲用地への築地市場移転に関わる御都のお考えについて(質問)」による>した。これに関し、

(1)移転整備先を豊洲として東京ガスに打診した理由は何か。

(2)99年11月の段階で、豊洲以外の移転場所について、他の適地を検討されたか。検討されたとすれば、いつ、どのような検討をされたのか。例えば、晴海、有明北、石川島播磨跡地について、土壌汚染を含む調査を行ったか。また、用地面積が不足するとされた晴海について、建築物の高層化による床面積確保は検討されたか。

(3)99年11月の段階で、他の適地より豊洲が最適と判断された理由は何か。

(3)00年6月2日付の東京ガス「弊社豊洲用地への築地市場移転に関わる御都のお考えについて(質問)」では、東京ガスは、豊洲は土壌が汚染され、生鮮食品を扱う市場としては不適切としている。それにもかかわらず、なお、豊洲の立地を東京ガスの工場跡地とされた理由は何か。

(4)11年4月に、東京都卸売市場審議会「東京都卸売市場整備基本方針」答申では、豊洲地区を候補地として移転整備に向け検討することを明らかにし、7月には「築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスとの基本合意」が成立している。00年6月から11年7月の合意までの間の東京都と東京ガスの間の交渉について、お伺いしたい。

(1)当時、知事としてどのような指示を当時の副知事の浜渦武生氏にされたのか、また、交渉経過についてどのような報告を受けられたのか。

(2)知事自ら、直接、東京ガスと交渉を行ったことはなかったのか。その場合、相手は誰で内容はどのようなものでしたか。

2 東京ガスと東京都との間の土壌汚染対策費用の負担区分について

都は01年12月に、東京都卸売市場整備計画(第7次)を策定し、築地市場の豊洲移転を正式決定した。00年6月2日付の東京ガス「弊社豊洲用地への築地市場移転に関わる御都のお考えについて(質問)」によれば、東京ガスは「弊社では、土壌の自浄作用を考慮したより合理的な方法を採用し、長期的に取り組む予定でありますが、譲渡に当たりその時点で処理ということになれば、大変な改善費用を要することになります」と述べて、当該土地は多額の土壌汚染対策費用が必要となることを明示している。これに関し、

(1)石原氏は、当該土地の購入に当たり、必要となる多額の土壌汚染対策費用は、東京ガスが負担すべきだと考えられたのか。それとも、東京都が負担すべきだと考えられたのか。また、その費用の負担区分についてどのように考えられたのか。

(2)石原氏は、汚染の除去に関し、想定以上の土壌汚染が出た場合、東京ガスには費用を請求しない旨、約朿されましたか。もしそうだとすれば、「瑕疵(かし)担保責任の放棄」あるいは「権利の放棄」に該当するおそれがあると考えられたか。また、このことを、都民や都議会に公表することは考えられなかったのか。

(3)東京ガスから豊洲市場用地を購入後、土壌汚染対策費用として858億円が必要となった。11年3月には土壌汚染対策費のうち東京ガス・東京ガス豊洲開発は78億円を負担することに合意した。そして残りは東京都が負担した。これは、適切な措置とお考えか。理由もご説明ください。

(4)東京都の土壌汚染対策費用は858億円にのぼりました。これを踏まえ、豊洲市場の用地の価格は、妥当だとお考えか。その理由とともにご説明ください。

(5)豊洲市場が立地する土地は、土壌汚染区域であるため、市場施設完成後も地下水管理システムのランニングコストなどが必要になっている。これらの付加的な費用の発生可能性を当時認識されていたのか。また容認しうると考えていたのか。

豊洲市場の経営形態について

(1)06年12月に、「豊洲新市場整備等事業実施方針」・「豊洲新市場整備等事業業務要求水準書(案)」が公表きれ、豊洲市場をPFIで経営することが明らかにされた。石原氏は、この時点では、豊洲市場の事業採算性をどのようにお考えだったのか。

(2)09年2月には、豊洲市場の総工費が4316億円(建設費990僚円、土壌汚染対策費586億円、用地取得費2370億円、その他関連工事費等370億円)とされている。その後、10年2月には、豊洲新市場の整備手法がPFIから直営に変更された。

(1)この時点で、豊洲市場の事業採算性を、どのように考えておられたのか。

(2)豊洲の事業採算性があまり見込めないと判断されたため、直営で豊洲市場を開場しようと判断されたのか。その場合、豊洲市場の減価償却費や運営費をどのように賄う考えであったのか。

4 豊洲市場の専門家会議の土壌汚染対策の評価と契約等について

(1)最近、「豊洲市場の設計に当たった会社が変更になった」と発言されているが、どこからどこへ変わったと記憶されていますか。その設計会社は、01年12月の東京都卸売市場整備計画(第7次)を策定、築地市場の豊洲移転を正式決定以後、03年5月の「豊洲新市場基本構想」、04年7月の「豊洲新市場基本構想」、05年9月「豊洲新市場実施計画のまとめ」、06年12月の「豊洲新市場整備等事業実施方針」・「豊洲新市場整備等事業業務要求水準書(案)」などにかかわっていたという趣旨でしょうか。 またその設計会社はどこだと記憶しているか。

(2)07年4月の知事選の後、同月に土壌汚染対策の専門家会議が発足し、08年7月に土壌の入れ替えや盛り土を行うことなどを提言する報告書をまとめている。この専門家会議の報告書はお読みになった記憶があるか。またどのように評価されていたのか。

(3)10年10月に、知事記者会見で豊洲移転決断表明をされ、これを機に、11月に中央卸売市場が環境影響評価書案を都環境局に提出、同月建物の基本設計業務プロポーザル案件公表、12月には土壌汚染対策工事設計契約と、環境アセスメント、建物建設、土壌汚染対策工事の手続きが一斉に開始されたが、

(1)これらの契約においては、「建物地下も盛土をする」という専門家会議の報告に従った対策を講じるものと認識されていたか。

(2)豊洲市場の建設工事を早期に、かつ、経費を節減すべきだと考え、あるいは指示を行い、建物地下に盛り土をしないことを推奨または容認することがあったか。

(3)建物の基本設計業務プロポーザルなどの審査が都庁職員のみによって行われ、外部委員が入っていないという事実をご存じだったのか。もしご存じの場合、外部委員を入れる指示を行わなかった理由は何か。

(4)発注者である東京都として、市場で働く方々の現場の意向を把握するよう建物設計会社に指示されたか。指示されなかった場合、その理由は何か。

(5)地下水は道路の下の部分にも流れている。豊洲の道路下部分について、土壌汚染対策を指示されなかった理由は何か。

(4)建物地下には、これまで議会やホームページなどで東京都が説明してきた専門家報告の内容と異なり、盛り土されていない空間があった。これについては、

(1)知事として「建物地下は盛土をしない設計になっている」という報告を受けたことがあるか。

(2)報告を受けたとすれば、それはいつ、誰からか。

(3)報告を受けた時に、具体的な対応を行われたか。もし行われなかった場合、その理由は何か。

(5)

(1)一連の問題について、石原氏は当時の知事としての道義的責任があるとお考えか。

(2)もし責任があるとお考えの場合、どのように対処しようと考えておられるのか。

以上

今後とも、引き続き、豊洲市場の移転に関する調査にご協力いただきますようよろしくお願い申し上げます。

…………………………

◇石原氏の回答・全文

平成28年10月14日

東京都知事 小池百合子殿

質問書の回答は別紙のとおりです。

石原慎太郎

別紙

1の(1)について

1999年4月に私が都知事に就任する以前から東京都の幹部や市場関係者の間では築地市場の限界を感じ、移転先候補地を物色する中で豊洲という場所を決めていたようで、就任早々にそのような話を担当の福永副知事から聞いた記憶です。ただし、豊洲の中の東京ガスの敷地であるとまでは聞いた記憶はありません。したがって、少なくとも豊洲という土地への移転は既定の路線のような話であり、そのことは当時の資料をお調べいただけば分かるものと思います。

1の(2)について

(1)及び(3)について

前記1の(1)に対する回答のとおりです。

(2)について

そのような話は一切聞いておりません。

1の(3)について

前記のとおりであり、したがって、ご質問のような話は聞いておりません。

1の(4)について

(1)について

担当が福永副知事から浜渦特別秘書に交代したことと、その理由がハードネゴシエーションが必要なためその適性を考慮してのことであったことは覚えておりますが、交渉に至る経緯とその後の経過の内容は、その後相当な期間が経過していることもあり、記憶にありません。場面、場面で決裁を求められたことはあったのかもしれませんが、大型構造物の建築や土壌汚染といった専門的、実務的内容に鑑みても詳しい交渉の経過の報告は受けていなかったと思います。いずれにせよ、この点は記憶に頼るより当時の資料を見ていただけば分かることだと思います。

(2)について

私自身は交渉に全く関与しておりません。すべて浜渦に任せておりました。

2の(1)及び(2)について

ご質問の事項について知事としての判断を求められたことがありませんので、全く分かりません。

2の(3)について

今思えばアンフェアだと思いますが、私の判断を求められることがありませんでしたから、全く分かりません。

2の(4)について

妥当うんぬん以前にずいぶん高い買い物をしたと思いますが、何故そうなったのかは私に判断を求められることがなかったことから分かりません。しかし、この点は東京都及び東京ガスに残っているはずの当時の諸条件に関する交渉経過の資料を見れば明らかになるものと思います。

2の(5)について

そのような費用の発生やその可能性は、当時考えもしないことでした。

3の(1)及び(2)について

場面、場面で決裁を求められたことはあったのかもしれませんが、特段の知事の判断を求められたことはありませんでしたから、その専門的、実務的内容に鑑み、実務を担当した職員に任せておりましたので、分かりません。

4の(1)について

設計に当たった会社が変更になったという話を当時聞いたような気はするのですが、具体的なことは全く覚えておりません。

4の(2)について

読んだかどうかの記憶はありませんが、いずれにせよ、その専門的内容からして、私があれこれ評価できるものではなかったと思います。

4の(3)について

(1)について

全く記憶がありません。そもそもこのような専門的な問題は私に専門的知見はなく、その判断能力がありませんから、担当職員が専門家の意見を聞いたり専門業者と協議したりしながら実質的に決定していくものだと思います。

(2)について

指示、推奨あるいは容認といったことではないですが、そして、どなたからであったかは忘れましたが、ある専門家から「盛り土をするより汚染対策として地下にコンクリートの箱を重ねて埋め込み、土台として構えた方が工期も早いし、安く済むので良いのではないか」という提案があり、「なるほどそれなら一挙両得だから検討するに値する。」といった話を週に1度の昼食会だったかで都の幹部らと話した記憶はあります。

(3)について

私が立ち入って関与をしたことはなく、知りませんでした。

(4)について

そのような指示をした記憶はありませんが、そのようなことは指示されるまでもなく担当の立場と責任で行うべきことだと思います。

(5)について

私はその点について何らかの指示をしたことはないと思いますが、 そもそもそのような専門的なことは、知事ではなく、担当職員が専門家の意見を聞いたり専門業者と協議したりしながら実質的に決定するものだと思います。

4の(4)について

ご質問のような報告を受けた事実はありません。

4の(5)について

都知事の業務をよくご存じの都知事からこのような専門的な内容の事項について道義的責任をご質問いただくことにいささか複雑な思いを感じざるを得ませんが、市場関係者の皆さんを含め東京都民の皆さんや国民の皆さんに対しては、私が就任中のことに端を発して結果としてこのような事態に立ち至っていることについてまことに申し訳なく思っております。

かつ調査に協力する意味で当時の記憶を整理し、思い出してはみたのですが、内容が大型構造物の建築や土壌汚染あるいは法律問題を含む売買契約交渉といった専門的、実務的内容であるため、何らかの決裁を求められてこれを行ったにせよ、そのほとんどを思い出すことができなかったことを申し訳なく思っております。そもそも、都知事が最終決裁を行うべき事案は膨大かつ多岐にわたるところ、本件のように専門的な知識・判断が必要とされる問題については、私自身に専門的知見はないことから、都知事在任中、私は、知事としての特段の見解や判断を求められたり大きな問題が生じている旨の報告を受けたりしない限り、基本的に担当職員が専門家等と協議した結果である判断結果を信頼・尊重して職務を行っておりました。本書のご回答において、度々、私自身は関与していないとか、担当者に任せていたとか、担当職員が専門家の意見を聞いたり専門業者と協議したりしながら実質的に決定していくもの等お答えしている趣旨は、このような意味合いです。加えて、13年半という在任期間中に私が都知事として決裁をした案件数は膨大であることもあり、ご質問の各事項については、本書のご回答以上の記億はございません。

今となっては、小池都知事の責任と権限をもって、私が就任する以前の段階から今日に至るまでの各都知事のすべての時代の本件に関する資料をいわゆる「のり弁」的な細工をすることなくすべて公開していただき、ぜひ皆さんの目で何が行われたのかをご覧いただくしかないと思っております。無責任に聞こえるかもしれませんが、その専門的内容に鑑み、記憶の問題ではなく、資料がすべてを物語ってくれるものと思っております。

以上

なんというか・・・