Bリーグに異色のホームアリーナ SR渋谷の拠点は青学大 産官学連携で実現:イザ!

ほぉ・・・

【バスケット通信】

9月に開幕したバスケットボール男子のBリーグに異色のホームアリーナが誕生した。昨季まで日立東京としてナショナルリーグ(NBL)に参戦したSR渋谷の新たな拠点は青山学院記念館。バスケット男子の強豪としても知られる青山学院大の体育館だ。東京都渋谷区を巻き込んだ産官学連携により、交通アクセスのいい都心の一等地を確保したチームは、“バスケの街”とされる渋谷の新たなシンボルとして注目を集めそうだ。

10月8日。東京メトロ・表参道駅にほど近い体育館には、試合開始の2時間以上前から多くの観客が行列を作った。Bリーグ開幕3週目にして迎えたSR渋谷の本拠地開幕戦。来場者は2624人と昨季のホーム平均観客動員数の2倍に達した。観客には開幕記念Tシャツが配られ、スタンドはチームカラーの黄色に染まった。

試合は昨季bjリーグ準優勝の富山に対し、79-61と快勝。帰化選手で日本代表のアイラ・ブラウンの13得点を筆頭に、5人が2桁得点する分厚い攻撃を見せつけた。11得点したベンドラメ礼生は「ホームで立ち見が出るほど人が集まったのを初めて見た。とても気持ちよかった」。翌9日も同じ相手に76-52と大勝を収め、詰めかけた2503人の観衆をわかせた。

チームは昨季まで試合の大半を行う東京都と、練習拠点のある千葉県柏市のダブルフランチャイズ制を採用していた。だがBリーグ1部(B1)入りには「5000人収容のアリーナでホームゲームの8割を実施」という厳しい条件がついた。これをクリアするため、着目したのが渋谷区。1964年東京五輪のバスケット会場になった“聖地”代々木第2体育館を抱え、2011年からはセンター街の治安改善のイメージ戦略として「バスケットストリート」の名称も用いられている“バスケの街”だ。

チームは当初、渋谷区にある国立代々木競技場と東京体育館を本拠地候補にしていたが、ともに稼働率が高く、確保を断念した。区と話し合いを進める中で浮上したのが青山学院記念館。SR渋谷の岡博章社長は「渋谷区が地域活性化のために応援してくれたことで、話が前に進み出した」と振り返る。

「『渋谷』の名を入れてくれれば、もっと応援できる」との意見も取り入れ、チーム名はSR渋谷に変更。最終的には区の積極的な仲介が実り、青学大と体育館使用の合意を取り付けた。

渋谷区にとってもSR渋谷の存在は、区民へのスポーツ振興を図る上では格好の材料だ。ホーム開幕を翌日に控えた10月7日には職員が黄色のポロシャツを着用して機運を盛り上げ、8日の開幕セレモニーに出席した長谷部健区長は「優勝したらぜひ渋谷でパレードを」とぶち上げた。

青学大も地域貢献や社会貢献を重視。三木義一学長が「収益性はあまりない」と語ったように、使用料は大きく抑えた。一方でSR渋谷の親会社である日立製作所の協力を得て、1964年完工の体育館の空調設備やトイレ、シャワーなどを改修。授業や大学の部活動に支障が出ないよう、渋谷区が区内の施設を貸し出す配慮もあった。

プロの興行として唯一の懸念材料だったのが「アルコール厳禁」の条件。青学大はキリスト教の中でも禁酒を基本的な立場とするプロテスタントのメソジスト派。会場への酒の持ち込みは認められず、当然アルコール類の販売もできない。収益確保の上では痛手だが、SR渋谷も「地域貢献」を重視。試合開始時間は、その前後に食事を楽しめる午後2時または6時に設定した。「試合帰りに渋谷や表参道で食事や祝勝会をやっていただければ近隣も潤う」と岡社長。近くに店舗を構えるメキシコ料理店とのタイアップも始まった。

本拠地選定がB1の中で一番遅くなったため、認知度はまだまだ低い。岡社長は「渋谷に骨を埋める覚悟。少しずつファンを増やし、最終的には渋谷の街の人に『応援してやらないと』と思っていただける雰囲気作りをしていきたい」と意気込む。青学大OBでガードの伊藤駿は「OBが試合をするとか関係なしに、学生には楽しんでほしい。1つのアトラクションという位置づけで来てもらえれば」。買い物客がふらっと観戦するには好立地のホームで、ファン拡大を図る。(奥村信哉)

ホーム開幕戦ではSR渋谷の巨大な横断巻もお目見えした=10月8日、青山学院記念館(奥村信哉撮影)
ホーム開幕戦ではSR渋谷の巨大な横断巻もお目見えした=10月8日、青山学院記念館(奥村信哉撮影)

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へぇ・・・