日本Sも神ってる!広島・誠也、大谷崩した本盗「勝てたのは大きい」 (1/4ページ) – 野球 – SANSPO.COM(サンスポ)

今日も勝てよ。

“神ってる男”鈴木が本盗に成功。捕手・大野への返球は乱れ、一塁・中田(左手前)はぼう然と見つめた(撮影・荒木孝雄
“神ってる男”鈴木が本盗に成功。捕手・大野への返球は乱れ、一塁・中田(左手前)はぼう然と見つめた(撮影・荒木孝雄

SMBC日本シリーズ第1戦(広島5-1日本ハム、広島1勝、22日、マツダ)やはり神ってる! 日本シリーズが開幕し、セ・リーグ覇者の広島が5-1でパ・リーグ覇者の日本ハムに先勝した。広島・鈴木誠也外野手(22)は二回一死一、三塁で三走として重盗を試みて、見事に本塁を陥れ、貴重な先制点を奪った。

日本シリーズでの本盗成功は1969年の巨人・土井正三以来、47年ぶりの快挙。『神ってる』男が歴史的な足技で大谷翔平投手(22)を揺さぶり、攻略に貢献。1984年以来、32年ぶりの日本一へ好スタートを切った。

2回、石原慶幸の空振り三振の間にダブルスチールを成功させ先制する広島・鈴木=マツダスタジアム(撮影・鳥越瑞絵)
2回、石原慶幸の空振り三振の間にダブルスチールを成功させ先制する広島・鈴木=マツダスタジアム(撮影・鳥越瑞絵)

47年の時を破り、日本シリーズの歴史に“足跡”を残した。チームが25年ぶりに出場を果たした夢舞台。『神ってる』男、鈴木のハイライトは打棒ではなく、足技だった。

「遊撃の(捕球した)体勢が悪かったので行きました。河田コーチにも『いけ!』と言われていた。投手(大谷)が捕るか迷ったが、思い切っていきました」

先頭で迎えた二回に四球を選び、安部の右前打などで一死一、三塁。石原がスクイズを2度敢行して失敗し、5球目で空振り三振に倒れた。だが…。

一走・安部がスタートを切り、捕手・大野の送球を大谷がカットしなかった隙を突いて三走・鈴木は本塁に突入。「僕の問題で失点している」と大谷が振り返ったミスを見逃さず、とっさの判断と今季16盗塁を記録している走力で、貴重な先制点をもぎとった。

巨人・土井正三以来47年ぶり神走塁
巨人・土井正三以来47年ぶり神走塁

雨でグラウンド状態が悪い中で決めた日本シリーズでの本盗は、1969年10月30日の巨人-阪急の日本シリーズ第4戦(後楽園)での土井正三以来。退場劇も含めて伝説となった“神走塁”以来の快挙だ。6月17日、18日のオリックス戦(マツダ)で2試合連続サヨナラ弾を放ち、緒方監督に「神ってる」といわしめた22歳が、同学年の大谷の心を乱して、四回の2本塁打につなげた。

「(鈴木)誠也がよく反応してくれた。大谷がカットに入らなければいけない場面だが、その隙をつき、集中力を切らさず好判断してくれた」

河田外野守備・走塁コーチは、鈴木をたたえた。現役時代に機動力野球の代名詞だった広島、西武と渡り歩いた、緒方監督の右腕的な存在。今季から就任して取り組んできた走塁改革で「1つでも2つでも先の塁に行こうとする気持ちが大事」と説いてきた。その言葉に鈴木が応えた。

まさに神走塁だ! 二回、本塁へ滑り込んで先制点をもぎ取った広島・鈴木=マツダスタジアム(撮影・鳥越瑞絵)
まさに神走塁だ! 二回、本塁へ滑り込んで先制点をもぎ取った広島・鈴木=マツダスタジアム(撮影・鳥越瑞絵)

「先制点をとれたのは大きかった。1戦目が大事だと思っていたし、相手のエースの試合で勝てたのは大きい」と鈴木はしてやったりだ。DeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ4試合は12打数1安打と不振で、この日も2打数無安打だったが、日本ハムの機動力野球のお株を奪った本盗には『神ってる』だけではない、判断力の高さが凝縮されていた。

チームの118盗塁、153本塁打、684得点はいずれも今季リーグトップ。広島が、その強みを初戦でいかんなく発揮し、32年ぶりの日本一へ弾みをつけた。 (佐藤春佳)

一走で重盗に成功した広島・安部「あるな、と思ったので準備していた。先制点になって勢いがついた」

★1969年第4戦VTR

1969年10月30日、巨人-阪急の日本シリーズ第4戦(後楽園)。巨人は3点を追う四回一死一、三塁、打者・長嶋茂雄がフルカウントから空振り三振した球で、一走・王貞治がスタート。阪急の捕手・岡村浩二が二塁に送球した瞬間、三走・土井正三が本塁突入。二塁手がカットして本塁へ返球するも「セーフ」。判定に激高した岡村が岡田功球審を突き、シリーズ史上初の退場となった。

土井は岡村のブロックを研究し、左足を目いっぱい伸ばして、はね返される直前にわずかな隙間からベースに届かせており、翌日の新聞紙面に決定的瞬間の写真が掲載された。野村克也氏(当時南海捕手)はサンケイスポーツに寄せた観戦記で「岡村の二塁送球はシーズン終盤から低くなる傾向」にあり、「低くなったため(二塁手の返球が)遅れ、本塁上のクロスプレーになった」とセーフになった要因を指摘した。

データBOX

〔1〕広島が第1戦に勝利。第1戦の勝者は過去64度のうち41度(引き分けの2試合を除く)で日本一になっており、確率は64・1%。本拠地制を導入した1952年以降、本拠地の第1戦を制した例は34度あり、日本一は19度。確率55・9%とやや有利。広島が初戦で勝利したのは84年(本拠地)に次ぐ32年ぶり2度目。同年は日本一。

〔2〕広島は二回に鈴木が本盗、安部が二盗を成功させ、重盗で先制。日本シリーズでの重盗は昨年第4戦のソフトバンク(九回、福田秀平が三盗、明石健志が二盗)以来17度目。シリーズでの本盗は、1969年第4戦の巨人・土井正三(四回、重盗で王貞治が二盗)以来47年ぶり5度目で、すべて重盗で記録。広島では初めて。

ホーム戦は勝ってほしいな。