NHKは悲願、地方民放は試練 ネット同時配信解禁へ:朝日新聞デジタル

ローカル(地域制限)番組が無くなればいいんだよ。

総務省が全面解禁の方針を固めたテレビ放送のネット同時配信は、民放の地方局にとっては経営を揺るがしかねない試練であり、受信料の対象を広げたいNHKにとっては悲願だった。テレビ各社は今後、スマートフォンやパソコンという同じ土俵で海外勢ら動画配信大手と利用者を奪い合うことになる。

「民放には多数のローカル局が存在している。行政が同時配信を推し進めるなら、しっかりとした議論が必要だ」。日本民間放送連盟の井上弘会長(TBS会長)は9月の定例記者会見で、ネット同時配信の解禁を進めようとする総務省にそう釘を刺した。

全国一律で経営しているNHKと違い、民放は各地の地方局が独立経営している。キー局がつくった番組に加えて各局独自の番組も流し、CMも地方局ごとに集めて収入源にしている。もし在京キー局の番組がそのままネットで全国に流れれば、地方局は視聴者を失い、経営が立ちゆかなく恐れがある。

そこで民放各局が検討しているのは、各地方局もネット配信を行い、地域ごとに見られる放送局を限定する方法だ。

ラジオ放送をネットで聴ける民放のサービス「ラジコ」は、スマホのGPS情報などを使い、地域ごとに地元の放送局の番組だけを無料で受信できる。他の地域の放送を聴くには、料金が必要になる。総務省によると、技術的にも法的にも、同様の手法は可能という。

■海外動画大手に対抗

一方、NHKは関東圏の番組を全国一律で配信するとみられる。総務省の有識者会議では、ネットで番組を見る人からも一定の受信料を取る方向で議論する。

総務省は、ネット配信を放送法が定める「放送」には含めない方針だ。このため、テレビは家に置いただけで受信料の対象になるのに対し、パソコンやスマホは持っているだけでは対象にはならない見通し。料金を払った人だけが番組を見られるようにするなどの方法を検討する。

総務省がネット同時配信を進めるのは、若者を中心にテレビよりスマホの動画を好む人が増えているためだ。海外の動画大手は、テレビ局にとって手ごわい競争相手になりつつある。

英動画配信大手のパフォームグループとプロサッカーのJリーグは7月、2100億円で10年間の放映権契約を結んだ。CS放送の「スカパー!」が年間50億円前後で契約していたが、巨額で契約をさらわれた。お笑い芸人又吉直樹さんのベストセラー「火花」は、米動画配信大手ネットフリックスがドラマ化の権利を独占した。

日本のテレビ局が今後も競争力を持ち続けるには、スマホ向け動画に流れた視聴者をテレビ番組に呼び戻すことが不可欠だ。総務省幹部は「テレビ局は日本のハリウッド。ネットの世界に打って出て勝ち抜いてほしい」と話している。(上栗崇、藤崎麻里)

テレビのインターネット同時配信のイメージ
テレビのインターネット同時配信のイメージ

どうなるかねぇ。