乳児用液体ミルク、常温で保存可 飲み残しは要注意:朝日新聞デジタル

常温って確か30度だっけ?

外国で普及している乳児用の液体ミルクを国内でも製造・販売できるように、政府は具体的な検討を始める。すぐに飲ませることができる手軽さから育児の負担を減らし、男性の育児参加も後押しできると期待する。ただ、厳しい安全基準づくりは不可欠で、解禁は早くても来年度以降になりそうだ。

菅義偉官房長官は17日の記者会見で、液体ミルクの解禁について「今後検討が行われる」と表明。政府の男女共同参画会議の下に設けた専門調査会で議論を始めることを明らかにした。

安全性が確認できれば、厚生労働省令を改正して解禁。女性の社会参加を推し進めている安倍政権としては、男性の育児参加を促していく狙いがある。首相官邸幹部は「男性にも『一回一回つくるのが面倒』という声がある」と語った。

液体ミルクは常温で保存できるのが特徴。厚労省によると、液体ミルクを「乳製品」として扱えば販売は認められ、インターネットを通じて輸入品を買うこともできる。一方、食品衛生法に基づく省令は粉ミルクの規格しかなく、「乳児用」として製造・販売はできない。そこで厳しい安全基準を設ける必要がある。ミルクは特に栄養価が高いため、厚労省は「液状で常温保存すると微生物が増殖しやすい。飲み残しには特に注意が必要」という。

日本乳業協会は2009年から解禁を求めているが、安全性を示すデータが未提出で議論は進んでいなかった。解禁を求めて2年前から署名活動をしている横浜市の末永恵理さん(37)によると、米国ではスーパーなどで200ミリリットルが1本2ドル前後で手に入るという。熊本地震では外国から支援物資として届いて注目され、解禁を求める署名は4万筆を超えた。

ただ、政権がめざす男性の育児参加につながるかは不透明だ。NPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表理事(53)は長時間労働や育児休業の取りにくさといった環境こそが問題だとし、「働き方の見直しなどの根本解決を急いでほしい」と注文をつけた。(伊藤舞虹、黒田壮吉)

外国で売られている液体ミルク
外国で売られている液体ミルク

8本入りで約2,600円。