広島V2ウラに緒方、金本両監督の仁義なき戦い 屈辱の眼前胴上げ、同い年で元同僚の“エリートと雑草”:イザ!

CS、日本一を決めて、セ・リーグで巨人以外で初の3連覇を・・・


(左)緒方監督はナインの手で11度も宙を舞った。(右)金本監督にとっては最も見たくない光景だったろう
(左)緒方監督はナインの手で11度も宙を舞った。(右)金本監督にとっては最も見たくない光景だったろう

広島が18日の阪神戦(甲子園)に3-2で勝ち、2年連続8度目のセ・リーグ優勝を決めた。緒方孝市監督(48)の大きなモチベーションとなっていたのは、阪神・金本知憲監督(49)の存在だ。かつてのチームメートだが、同じ1968年生まれで何かと対照的な“宿命のライバル”。現役時代の実績では後塵を拝したが、監督としては2年連続で頂点に立ち、今年は目前で胴上げを見せつけた。金本監督にとってはまさに“赤っ恥”。10月のクライマックスシリーズ(CS)、来季のペナントレースでも遺恨となりそうだ。(山戸英州)

「感極まって涙が出た。昨年は無我夢中であっという間に優勝が決まり、すぐ胴上げだったが、今年は優勝の瞬間まで一歩一歩という感じだった」

胴上げ直後、緒方監督は感慨深げに振り返った。甲子園は、2年目の1988年9月17日に初出場・初安打・初本塁打をまとめて記録しプロとして第一歩を記した球場でもあった。

ちなみに「11度」も宙を舞ったのは、「球団史上8度目のリーグ優勝ということで、8度のつもりだったが、勢い余って止まらなかった」(複数の選手)からだ。

2人のライバル心は傍目で見るより激しい。広島は、前日の台風で地元マツダスタジアムでの優勝決定を逃し甲子園入り。残念がるファン、球団関係者が多かったが、緒方監督にとっては、逆に最高の舞台が整ったといえる。金本監督に優勝の瞬間を見せつけることができるからだ。

緒方監督は鳥栖高からドラフト3位で入団し、2年目から1軍で起用された“エリート”。一方、金本監督は広陵高から浪人の形で東北福祉大に進学し、5年も遠回りしてドラフト4位で入団した“雑草”だった。

しかし、プロ入り後は立場が逆転。ともに強打の外野手として鳴らしたが、緒方監督は故障が増え、タイトルは盗塁王が3回のみ。通算安打は1506本にとどまった。一方、金本監督は打点王(04年)、MVP(05年)に輝き、2539安打を積み上げ名球会入りを果たした。

野球人生の選択も対照的だ。緒方監督は99年にFA権を獲得。同年オフに巨人などが獲得に乗り出したが、熟慮の末に残留を選択。結局現役23年間を広島で通した。ここで移籍を選択していれば、1979-80年の古葉竹識氏に次ぐ、球団史上2人目の“連覇監督”の栄誉に浴すことはできなかっただろう。

一方、金本監督は2002年オフ、1度も優勝経験のないまま11年在籍した広島から飛び出した。当時の星野仙一監督からラブコールを受け阪神入り。いまや指揮を執っている。

緒方監督が現役時代にどうしても勝てなかった金本監督に、指揮官として上回ることができている理由は何か。

広島のチーム関係者は「2人ともバリバリの体育会系気質で、基本的にはスパルタ式の指導法。広島の現役時代のスタイルを踏襲している。ただ、現状のチームの成熟度が全く違う。ウチは選手がみんな“大人”で、新井というまとめ役もいる。緒方監督はある程度選手に任せておけばいい。発展途上の若手が多い阪神はそうはいかない。金本監督が手取り足取り教えなければ、どうしようもないのでしょう」と指摘する。

両球団を巡る環境も激変しつつある。広島の甲子園での胴上げは、昨季の東京ドームに続き2年連続敵地。特に普段甲子園といえば虎党一色のはずだが、この日は三塁側から左翼にかけて広島のチームカラーの赤に染まっていた。

ここ数年、広島ファンのビジター球場への進出が目立つ。甲子園の左翼席には対戦カードごとに「ビジター専用応援席」が設定されるが、巨人戦と広島戦が最も数多くの席割り当てられている。

阪神のフロントは「“カープ・ブーム”の恩恵を最も受けているのはウチでしょう。広島からは日帰り圏内で、来場するファンも年々増えている。広島戦に関しては来季、ビジター専用応援席を拡大することも検討しています」とホクホク顔だ。

かつて、V9時代の巨人は1972年と73年に2年連続甲子園の阪神戦で優勝を決めた(V8とV9)が、いずれも阪神ファンがグラウンドになだれ込み胴上げができなかった。92年にヤクルトが14年ぶりの優勝を決めた際も、野村克也監督の胴上げや優勝インタビューの最中に虎党から「帰れ」コールが沸き起こり、メガホンなどが投げ込まれる騒ぎになった。

敵側のファンに圧倒されビジターチームの胴上げをおとなしく見つめる阪神ファンの姿には、隔世の感がある。

金本監督は「彼ら(阪神の若手)がどう感じるか。何かを感じてほしいというのはある。広島との差を一番感じたのは得点力。本塁打の数も全然違うし、足も違う。あの打線を抑え込める投手力を作らないと勝てない。打ち勝とうと思ってもなかなかね…」とリベンジを期している。

球界関係者は「金本監督にしてみれば、かつて背を向けたカープに、このまま頭を押さえられ続けるのはたまらない。監督が同い年の緒方とくれば、現役時代の成績で上回っているだけになおさらだろう」と指摘する。両監督のせめぎ合いがCS以降も火花を散らすのは間違いない。

情報源: 広島V2ウラに緒方、金本両監督の仁義なき戦い 屈辱の眼前胴上げ、同い年で元同僚の“エリートと雑草”:イザ!

昨年の忘れ物を取らないと。