山本周五郎:晩年の未発表草稿 人間観伝える44枚

ほぉ・・・


「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚(たん)」などで知られる作家、山本周五郎(1903~67年)の未発表草稿が見つかったと15日、神奈川近代文学館が発表した。今年、没後50年を迎える。

草稿は、専用の原稿用紙44枚につづられた「註文(ちゅうもん)の婿」。藩の国家老はいっぷう変わった養子探しをしていた。条件は酒を飲み、遊蕩(ゆうとう)を好む人間味があること。無事養子も決まり、3人の愛人を囲う隠居生活を楽しみ始めたところ、妾宅(しょうたく)の前で養子に声をかけられた--。家老が隠居を堪能する目的で養子とその嫁を選び、一人ほくそ笑む姿のおかしみが漂い、不穏な雲行きになりそうなところで中断している。

同館によると、亡くなる1年半ほど前の65年ごろ、山本が「小説新潮」の担当編集者だった佐々木信雄さん(83)に草稿を渡した。2015年、同館が佐々木さんから寄贈を受けたという。

当時、山本は体調が悪く身辺整理をしていたという。佐々木さんは同館の機関紙に「今になって、きみの雑誌にこれを書くつもりでいたのだけど、それをやっている時間と体力はもうなくなった、だから、きみが持っていてくれたまえと、言外におっしゃった、と遅まきながら理解しています」と原稿を寄せている。

草稿に目を通した文芸評論家の末國善己さんは「『日日平安』(映画『椿三十郎』の原作)に通じるような、真面目一辺倒でない人間がよいという周五郎の人間観が出ている」と話している。

草稿は16日発売の「新潮45」10月号に掲載される。また同館で30日から始まる「没後50年 山本周五郎展」で初公開される。【内藤麻里子】

情報源:山本周五郎:晩年の未発表草稿 人間観伝える44枚


山本周五郎による小説「註文の婿」の草稿(神奈川近代文学館提供)
山本周五郎による小説「註文の婿」の草稿(神奈川近代文学館提供)

作家、山本周五郎(1903~67年)が生前に発表していない未完の小説「註文(ちゅうもん)の婿」の草稿が見つかった。江戸が舞台のユーモア時代物で、最晩年まで自作の完成度を追求した小説巧者の葛藤も伝わる貴重な資料。30日に神奈川近代文学館(横浜市)で始まる「没後50年 山本周五郎展」で初公開される。

同館によると、草稿は200字詰め原稿用紙44枚に万年筆で書かれていた。周五郎が死去する1年半ほど前、「小説新潮」の担当編集者が本人からもらい受けていた。平成27年に同館が寄贈を受けて調査。既刊で類似の作品が見当たらず、未発表作だと判明した。

面倒な職務から逃れたい一心で、養子を迎え、隠居しようと企てる藩の国家老の姿をユーモラスに描く物語。主人公が待望の余生を謳(おう)歌(か)し始めるところで、意外なオチの予感を漂わせつつ、筆は絶たれている。

執筆時期は不明だが、草稿を渡したころの周五郎は体力や気力が衰え、身辺整理をしていたともいわれている。ただ、文芸評論家の清原康正さんは「後で仕上げる気持ちがあり、自宅でほかの原稿に埋もれて紛失しないように編集者に託した可能性もある。キャリアを積んでも安易なオチは書かず、高い完成度を求めて悩み苦しみ続けた作家の真(しん)摯(し)な姿も浮かぶ興味深い資料」と話す。草稿の全文は16日発売の「新潮45」10月号にも掲載される。

情報源:作家、山本周五郎の未発表の未完小説草稿見つかる 完成度追求する巧者の葛藤伝える:イザ!


へぇ・・・