UUUMもパナ新製品も… グーグル依存に潜む死角

ふむ・・・


上場2日目を迎えた「ユーチューバー」のマネジメント会社、UUUM(ウーム)の初値が31日に付いた。初値は公開価格の3.3倍と動画配信市場の成長期待を示した。30日にはパナソニックが初の人工知能(AI)スピーカーを発表している。華々しくデビューしたUUUMとパナソニックの新製品には共通点がある。IT(情報技術)の巨人、米グーグルのプラットフォーム(基盤)に頼る点だ。新興、伝統問わず日本企業に共通の課題が浮かび上がる。

■グーグル依存度は57%

UUUMは売上高の過半をグーグルに頼る(30日、東証)
UUUMは売上高の過半をグーグルに頼る(30日、東証)

「ユーチューブは右肩上がりの成長が続く。ユーチューバ-のコンテンツ力を重視しており、弊社との取引が急激に悪化する可能性は低い」。UUUMの鎌田和樹社長は30日の東証での記者会見でこう強調した。UUUMは米グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」という世界規模のプラットフォームを活用。所属ユーチューバ-は安定して視聴者を獲得し、広告収入の一定料率をグーグルから受け取り成長してきた。

UUUMは独自イベントでファンを集めるなど、ユーチューブ経由以外の収益源を広げてはいる。だが、売上高に占めるグーグル依存度は16年5月期の51%から16年6月~17年2月期は57%まで上昇。集客力のあるグーグル頼みが強まっているのが実態だ。

グーグル経由では視聴者の好みなど詳細なデータを直接把握することは難しい。UUUMはヒカキンさんらが所属する人気ユーチューバーの知名度を生かし、自前の動画配信プラットフォームづくりも選択肢になりそう。だが、鎌田社長は会見で「(自前では)サーバーの整備などで相当なコストがかかり考えにくい」と述べ、当面はコンテンツ制作側に徹する考えを示した。

現状は双方にプラスの「ウィン・ウィン」だが、グーグルが方針を転換して料率変更などUUUMに不利な契約の見直しを迫るリスクはつきまとう。鎌田社長も「グーグルのユーチューブというプラットフォームに依存していることはリスク要因」と認めている。

グーグルや米アップル、米アマゾン・ドット・コムといった「プラットフォーマー」は、世界各地で膨大なデータを集めゲームのルールを自由に決められる存在。日本企業も無視できないが、近すぎればリスクもある。

代表例がスマートフォン(スマホ)ゲーム開発を手がける企業だ。各社は開発したゲームをグーグルの「グーグルプレイ」などで配信するが、手数料率が変更されれば事業に影響を受ける可能性がある。

イマジニアやエディアなどは、事業上のリスクとして「プラットフォーム運営事業者への収益依存」を挙げるゲーム関連企業は少なくない。ネット広告のVOYAGE GROUPも連結売上高に占めるグーグルの比率が1割を超え、「特定の取引先への依存」をリスクとして開示している。

■会話型AI、将来はコモディティー化?

プラットフォーマーとの距離感の取り方は大企業にも共通のテーマだ。

パナソニックは30日、ベルリンで開かれる欧州最大の家電見本市「IFA」を前に、同社初のAIスピーカーを発表した。この会話型AIは「グーグルアシスタント」を搭載。パナソニックの戦略製品の一つだが、要素技術はグーグルからの提供という割り切りを見せた。

パナソニックのAIスピーカーはグーグルの技術を採用した(パナソニック提供)
パナソニックのAIスピーカーはグーグルの技術を採用した(パナソニック提供)

会話型AIは集めた音声データを解析し、消費者向けの新サービスの可能性が指摘されている。日本でもLINEが独自商品を投入するなど、米国勢に対抗する動きもある。長く「ハード偏重」が指摘されてきた日本でも意識は変わりつつある。

だが、パナソニックはグーグルとの協調を選んだ。最近のパナソニックは他社との「協調」「競争」の領域を分け柔軟に事業を展開しており、会話型AIに関してはグーグルとの協調で「グーグル経済圏」に入る。パナソニックのAIスピーカーはスタイリッシュなデザインだが、肝の部分を握るのはグーグル。将来、グーグルが独自にスピーカーに参入するといったリスクはある。

会話型AIを巡っては、30日にもう一つニュースがあった。アマゾンと米マイクロソフトの提携だ。アマゾン「アレクサ」とマイクロソフト「コルタナ」が相互に連携できるようになるという。会話型AIはアマゾンが先行するとはいえ乱立気味。パナソニックには会話型AIがいずれ相互乗り入れし、コモディティー化するとの判断があるのかもしれない。もう一つの日本の特徴「自前主義」を排し、自社のスピーカーの音質などを徹底して磨くという判断ならば一理ある。

企業活動のルールを決めうる米IT大手と協調・競争を同時に進めながら、5年後、10年後のプラットフォームの「勝ち組」をどう見極めるか。そこで生かせる自社の競争力の源泉は何なのか。日本企業が米国勢に生殺与奪の権を握られないための知恵比べは続く。

(加藤貴行、栗原健太)

情報源: UUUMもパナ新製品も… グーグル依存に潜む死角

これなぁ・・・