原発避難者訴訟:東電と国に賠償命じる 前橋地裁

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福島第1原発事故避難者の集団訴訟で国と東京電力の過失が認められ、前橋地裁前で垂れ幕を掲げる原告側弁護士ら=17日午後

【産経新聞号外】原発事故、国と東電に責任判決[PDF]

東日本大震災の津波に伴う東京電力福島第1原発事故をめぐり、事故が起きる危険性を知りながら対策を取らず、事故を招いて住民に損害を与えたとして、福島県から群馬県に避難した45世帯137人が、東電と国を相手取り、1人1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、前橋地裁であった。原道子裁判長は「原発事故の予見や回避は可能だった。国は原発事業者に対する規制権限を果たさなかった」と指摘。国と東電に、原告計62人に対し、連帯して7万~350万円の賠償を命じた。ほかの原告の訴えは棄却した。

原発事故の法的責任追及で、予見・回避可能性を認める判決は初とみられる。原発事故による損害賠償を求める集団訴訟は全国で約30件起こされており、原告数は計約1万2千人に上る。集団訴訟の判決は今回が初めてで、今後の各地裁の判断に影響を与える可能性がある。

主な争点は、(1)東電と国は、原発事故が起きる危険性を予見しながら、対策を怠っていたのか(2)原発事業者に対する国の監督・規制は十分だったか(3)国の賠償指針に基づいた東電の賠償額は妥当か-など。

原告側は「事故以前に、従来想定を超す津波が発生して原発事故が起きる可能性を示したデータがあり、対策を取っておけば事故は防げた。賠償額も不十分」と主張。東電と国側は「データは未検証の仮説の一つに過ぎなかった。事故の予見や回避は困難だった」と請求棄却を求めていた。

情報源:【福島第1原発事故】福島第1原発事故、国と東電に責任 「予見・回避可能だった」前橋地裁が賠償命令   – 産経ニュース


東京電力福島第一原子力発電所の事故で群馬県に避難した人など130人余りが起こした裁判で、前橋地方裁判所は、「津波を事前に予測して事故を防ぐことはできた」として国と東京電力の責任を初めて認め、3800万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。原発事故の避難をめぐる全国の集団訴訟では今回が初めての判決で、今後の裁判に影響を与える可能性もあります。

この裁判は、原発事故の避難区域や福島県のそのほかの地域から群馬県に避難した人ら137人が生活の基盤を失うなど精神的な苦痛を受けたとして、国と東京電力に1人当たり1100万円、総額およそ15億円の慰謝料などを求めたものです。

17日の判決で前橋地方裁判所の原道子裁判長は、平成14年7月に政府の地震調査研究推進本部が発表した巨大地震の想定に基づいて、国と東京電力はその数か月後には巨大な津波が来ることを予測できたと指摘しました。

そのうえで、「東京電力が非常用の発電機を建屋の上の階に設けるなどの対策を行うことは容易で、国もこうした対策を講じるように命令する権限があり、事故を防ぐことは可能だった」として、国と東京電力の責任を初めて認め、3800万円余りの賠償を命じました。

原発事故をめぐり、全国の18の都道府県で1万2000人余りが起こしている集団訴訟では今回が初めての判決で、今後の裁判に影響を与える可能性もあります。

原子力規制庁「対処方針検討したい」

今回の判決について、原子力規制庁は「国の主張の一部が認められなかったことは聞いているが、今の時点で詳細は十分承知していない。今後の対応については関係省庁とともに判決内容を確認のうえ、対処方針を検討したい」と話しています。

廣瀬社長「判決文を精査したい」

判決について、東京電力の廣瀬直己社長は17日の記者会見で、「判決文を読んでいないので詳しいことは言えないが、今後、どう対応していくか、判決文を精査してしっかり対応したい」と述べました。そのうえで、今後、福島第一原子力発電所の事故の賠償費用が膨らんでいく可能性については、「われわれは、損害があるかぎり、賠償はしないといけない。きょうの判決も重要だが、裁判はいくつも抱えている。今の金額以上はないとは考えていない」と述べました。

争点(1)東電の過失の有無

今回の裁判では、津波の予測をめぐって、東京電力に民法上の過失があったかどうかが争点の一つとなりました。

原告側は、津波は予測できたにもかかわらず、東京電力は原発事故を防ぐ必要な対策をとらなかった過失があると主張しています。その根拠として、平成14年に政府の地震調査研究推進本部が発表した「長期評価」では、三陸沖から房総沖にかけてマグニチュード8クラスの巨大地震が、30年以内に20%の確率で発生することが示されていたとしています。さらに平成18年に当時の原子力安全・保安院や電力会社が参加した勉強会で、福島第一原発については、14メートルを超える津波が来た場合、すべての電源を喪失する危険性があると示されていたとしています。こうしたことなどから、津波は予測できたにもかかわらず、東京電力は原発事故を防ぐ必要な対策をとらなかった過失があると主張しています。

一方、東京電力は、国の専門機関が地震のあとに、「想定された規模を大きく上回る地震と津波だった」と評価していることから、津波を予測し、対策を行うことは不可能であり、過失はなかったと主張しています。

争点(2)国の責任の有無

もう一つの争点が、国に責任があったかどうかをめぐるものでした。

原告側は、国も、東京電力と同様に平成14年に政府が発表した「長期評価」や、平成18年に国の原子力安全・保安院や電力会社が参加した勉強会の内容などをもとに津波を予測することはできたとしています。そのうえで、国は東京電力に対して、防潮堤を高くしたり、電源盤を高台に移したりするなど対策を指示する義務があり、原発事故の発生について責任を負わなければならないと主張しています。

一方、国は、平成14年の「長期評価」は、あくまで阪神・淡路大震災を受けた防災目的のもので、原子力施設を想定したものではなく、原告側が「津波は予測できた」とする主張については、原発事故の発生について具体的な想定や試算をしたものではないとしています。さらに、「具体的な安全対策を指示するべきだった」とする原告側の主張については、原子力発電所の具体的な設計の変更を指示することは、そもそも国の権限としては認められていなかったとしています。

争点(3)賠償額の妥当性

さらに、今回の裁判では、避難者に支払われている賠償額が妥当かどうかも争点となりました。

これまで東京電力は、国の審査会で示された指針に基づいて、避難指示区域の住民に1人当たり最大で1450万円を支払っているほか、自主避難した人には最大で大人に12万円、子どもと妊婦に72万円を賠償として支払っています。

原告側は、これらの賠償には、住み慣れた家や仕事を失ったり、転校を余儀なくされたりしたことによる精神的な苦痛は含まれていないとして、現在の賠償の枠組みでは十分ではないと主張しています。さらに、避難指示区域の住民も、自主避難した人も、同様に精神的な苦痛を受けており、区別はできないとしています。

一方、国と東京電力は、現在の賠償の枠組みで十分補償されていると主張しています。

争点(4)自主避難の妥当性

また今回の裁判では、避難指示区域外の住民の自主避難の妥当性も争点となりました。

原告側は、放射線の被ばくに安全な線量は存在しないという、平成19年の国際機関の勧告を引用して、当時、福島県に住んでいた人が健康被害を予防するために避難することは合理的だったと主張しています。そのうえで自主避難をした人がそれまでの人間関係を断ち切られるなどして受けた精神的な損害については、現在の賠償の枠組みでは補償されておらず、不十分だとしています。

それに対し、国と東京電力は、事故直後の混乱などから被ばくをおそれて避難することに一定の合理性は認められるとしていますが、避難指示区域内の住民と比べて精神的苦痛は少なく高額の賠償は認められないとしています。

賠償求める訴えは各地で

原発事故で被害を受けた人たちは、各地で賠償を求める訴えを起こしています。

6年前の福島第一原発の事故のあと、東京電力は、国の指針に基づいて福島県に住む人たちや県外に避難した人たちに賠償を行っていますが、裁判を通じて事故の責任を問う動きが広がっています。今回のように福島県から避難した人たちが、国や東京電力には対策を怠った責任があるとして賠償を求めている裁判のほか、福島県では、賠償に加え、放射線量を事故の前の状態に戻すよう求める裁判も起きています。

件数は次第に増え、国や弁護団などによりますと、全国の少なくとも18の都道府県で29件の裁判が起こされ、原告は1万2000人余りに上っています。去年2月には全国の集団訴訟の原告たちが全国規模の連絡会を結成し、それぞれの裁判の情報を共有するなど連携して被害の救済を求めています。

一方、国や東京電力は、事故を予測することはできなかったなどとして、各地の裁判で争っています。審理の進み方は異なっていますが、17日の判決以降、千葉地方裁判所や福島地方裁判所などでもことし中に判決が言い渡される見通しで、裁判所が今回のように原発事故の責任を認めるかどうか注目されます。

情報源:原発避難訴訟 国に初めて賠償命じる判決 前橋地裁 | NHKニュース


東京電力福島第一原発事故で、福島県から群馬県に避難した住民ら計45世帯137人が、国と東電を相手取り、慰謝料など総額約15億円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁は17日、国と東電に対し、原告のうち62人に計3855万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

原発事故を巡って、国の責任を認める判決は初めて。

原道子裁判長は、東電が巨大津波の到来を予見できていたのに適切な津波対策を行っていなかったと指摘。国も東電に回避措置を取らせるべきだったとし、両者がこれらの対応を怠ったために事故が起き、原告らの平穏生活権が侵害されたと認定した。

前橋地裁の原告は避難指示区域内の25世帯76人、区域外から自主避難するなどした20世帯61人。「ふるさとや仕事を失うなど、甚大な精神的苦痛を受けた」として、慰謝料など一律1100万円の賠償を求めていた。

情報源:原発避難訴訟、国と東電に賠償命じる…前橋地裁 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)


前橋地裁の判決を受け「一部勝訴」などが書かれた幕を掲げる弁護士=前橋市で2017年3月17日午後3時12分、徳野仁子撮影

東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県から群馬県に避難した住民ら45世帯137人が東電と国に約15億円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁(原道子裁判長)は17日、東電と国に3855万円の支払いを命じる判決を言い渡した。原発事故全国弁護団連絡会によると、同様の集団訴訟は全国20地裁・支部で約1万2000人が起こしており、今回が初めての判決。

原告は避難指示区域からの避難者が6割、自主避難者が4割。いずれも国の審査会が示した「中間指針」に基づいて東電から一定額の慰謝料を受け取っているが、「古里を奪われた被害の実態に見合っていない」として、1人一律1100万円を求めて2013年9月から順次提訴した。

第1原発は11年3月11日に10メートル超の津波に襲われ、全ての電源を喪失し事故が発生した。裁判の主な争点は、(1)東電や国は津波を予見し、事故を回避できたか(2)国が東電に安全対策を取らせる規制権限があったか(3)国の指針に基づく東電から避難者への賠償額は妥当か–の3点だ。

原告側は、政府の地震調査研究推進本部が02年に「福島沖でもマグニチュード8級の津波地震が起こりうる」と示した「長期評価」や、この予測をもとに東電が08年、想定津波を最大15.7メートルと試算した点から「東電は巨大津波を予見できたのに防潮堤建設などの対策を怠った」と指摘。国についても「津波対策を取るよう東電に命令しなかった」として対応は違法だったと主張した。

これに対し、国や東電は「長期評価は確立した科学的知見とは言えず、巨大津波は予見できなかった」と反論。国の中間指針を超える新たな賠償は必要ないとも主張していた。

原発事故を巡っては、東電の旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴され、刑事裁判でも責任が問われている。【尾崎修二】

情報源: 原発避難者訴訟:東電と国に賠償命じる 前橋地裁 – 毎日新聞


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