【経済裏読み】ギターは時代遅れの楽器に? ワシントン条約と需要激減の包囲網(1/3ページ) – 産経WEST

最近はあアコースティックギターなんて見る機会がないだろ。


ギターは絶滅危惧種になるのでは-。音楽ファンの間でこんな懸念がささやかれ始めた。主要材料となる樹木「ローズウッド」が、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)の監視対象となったからだ。将来、輸出入が禁止される可能性もある。ただギターの国内出荷数は激減しており、ローズウッド絶滅の危機は遠のくかもしれない。いずれにせよ、ギターリストには寂しい時代だ。

輸出にハードル

「海外から問い合わせはあるんですが、ちょっと応じにくいんですよね」。大阪市内のある楽器店に置かれた中古の日本製エレキギター。高値で売れるが、担当者は「輸出となると手続きが…」と話す。このギターは、部材の1つに貴重な「ブラジリアンローズウッド」が使われている。

ブラジリアンローズウッドは、「絶滅のおそれのある種で取引による影響を受けている、または受けるおそれのあるもの」として、1990年代初めにワシントン条約附属書Iに加えられた。一部でも使用している製品は、規制前に伐採・加工されたものであることを示す証明書がなければ輸出入できない。

ブラジリアンローズウッドを用いたギターは高値で取引される。多くは50~60年代か、それ以前に製造されたヴィンテージと呼ばれるギターで、1本数百万円するものも。価格を決める際、状態の美しさとともに木材の種類も重視される。

そして今回、「国際取引を規制しないと絶滅のおそれがあるもの」を列挙する附属書IIに、ブラジリアン以外のすべてのローズウッドが記載された。今年1月2日に発効。規制当局の承認・許可を得れば取引できるが、関係者の間では「流通量が減り、価格も上昇する」との見方が強まっている。

危機の程度を把握

ローズウッドは、スピーカーなどの音響器具や家具、仏壇などにも使われるが、経済産業省の担当者は「輸出入手続きに関する問い合わせは、楽器業界からが特に多い」と話す。

ギターでは、弦を張ったネックの表面「指板」や、アコースティックギターのボディー側面・背面に使われている。丈夫で木目が美しく音響特性も良いとされる。

中でも良質とされたのがブラジリアンローズウッドだった。伐採や加工の終った在庫以外の同材が使えない現在、主流は似た特性を持つインディアンローズウッドやマダガスカルローズウッドなどに移った。しかし、これらも品薄になり、ワシントン条約附属書IIに記載されるに至った。

これらの材はまだ売買が可能だが、条約締約国がそれぞれ輸出承認の手続きを通じて取引量を把握し、年1回条約事務局に提出する。そのデータをもとに、産出国などが取引禁止を提案できる。締約国会合は3年に1度の開催で、次は2019年だ。

ギター出荷は激減

こうした中、メーカーはローズウッドの代わりを提案している。高級ブランドの米ギブソンは、メイプル(カエデ)を高温処理してローズウッドのような焦げ茶色にした指板を一部製品で採用。米マーティンも合板を使う製品を増やした。

ただ、市場では伝統的な木材に対する信仰が根強い。例えば、冒頭の楽器店では「ブラジリアンローズウッドは油脂の含有量が絶妙で、粘りのある音になる」と説明。入手困難な希少材という以上の価値があると広く認められている。

ローズウッドを守る上で安心できる材料があるとすれば、ギターの需要が減少傾向にあることだ。経産省の統計によると、2015年の国内の「ギター・電気ギター」出荷本数は約13万7000本と、08年(約30万9000本)の半分以下になった。

ギターは指が痛くなるまで練習が必要で、しかも希少種の犠牲の上に成り立っている。既存の曲をミックスするDJや、パソコンにデータを打ち込んで本物の楽器そっくりの音で演奏させるDTM(デスクトップミュージック)の方がクールなのかもしれない。

情報源: 【経済裏読み】ギターは時代遅れの楽器に? ワシントン条約と需要激減の包囲網(1/3ページ) – 産経WEST

大抵はエレキギターを使っているイメージだし。