CNN.co.jp : 1日6時間勤務、健康も生産性も向上か スウェーデンで実践 – (1/3)

6時間労働か・・・


1日6時間労働で生産性が向上?

(CNN) ほとんどの国で定着している1日8時間の労働時間。しかし複数の国で22年間にわたって労働時間を調べた経済協力開発機構(OECD)の調査では、働く時間を数時間短縮すると、生産性が最も高まることが分かった。スウェーデンでは1日6時間労働を実行に移す取り組みも始まり、一定の成果を上げている。

労働時間は週48時間を超えると生産高が減り始めると指摘した論文もある。第1次世界大戦中の英国の軍需工場のデータを分析したところ、長時間労働によって疲れやストレスがたまると生産性が落ちるだけでなく、事故や間違いや疾病の頻度も高まることが分かったという。

それから100年たった今も、働き過ぎはけがや疾病、太り過ぎ、飲酒、喫煙につながり、早死にのリスクを増大させることも分かっている。長時間働いた人は、標準時間内で働いた人に比べて心疾患の確率が40%高まるという調査結果もある。

そこで労働時間を短縮すれば、健康状態が改善されて、生産性の向上につなげられるかもしれない。スウェーデンではそれを実証するための実験も行われている。

ヨーテボリにある老人ホームでは2015年2月以来、看護師68人が1日6時間のシフト制で勤務する。

この実験は、労働時間の短縮が同国の経済や労働市場に与える影響について調べる目的で、ヨーテボリ市が2014年に実施を決めた。従業員と老人ホーム入居者への影響についても調査している。

看護師の健康状態や生産性を、週38時間労働制を取っている同様の施設と比較した結果、1日6時間勤務の看護師は健康状態が改善され、「ずっと温厚になって注意力も増している」(コンサルティング会社の研究者)という。

1日6時間の勤務を18カ月続けた看護師のうち77%が健康状態は良好と回答。一方、比較対象とした看護師では49%にとどまった。病欠も6時間勤務の看護師の方がはるかに少なかった。

特に老人ホームのような施設の場合、看護師の健康状態は極めて重要だと研究者は言う。看護師は入居者の食事や散歩に付き添い、入居者との間で人間関係を築く。そのためには看護師が定期的に勤務して、疾患やストレスによる病欠が少ない方が効果が高く、特に認知症の入居者の介護では大きな助けになる。

看護師の労働時間を減らせば、出来ることが増えるという結果も出た。入居者を慰めたり歌ったり踊ったりゲームをしたりといった活動は、比較対象グループに比べて80%多かった。

「これは介助する看護師の健康状態が良好で注意力が高く、ストレスが少ないことに関係する。そうした状況では率先して活動する気になれる」と研究者は解説する。

ただし経営上の課題はある。実験を行った老人ホームでは、労働時間の短縮で生じたギャップを埋めるために看護師17人を追加で採用した。

これまでのところ、実験にかかったコストは110万ドル(約1億1000万円)。一方、労働市場で17人の雇用が生まれたことから、州の失業対策コストは53万ドル(約5500万円)減った計算になる。

労働時間の短縮についてはまだ論議が多く、実践している企業はごく少数にすぎない。そうした中、ヨーテボリにあるトヨタの工場は14年前から6時間労働に切り替え、利益増大と従業員の満足度向上につなげてきた。英国でも一部の企業が追随している。

英スコットランドの旅行会社センシ・ディジタルは今年3月から実験的に1日6時間勤務を採用した。経営者のクリス・トーレス氏によると、始業時刻は午前9時半、終業時刻は午後3時半。給与は8時間勤務時代と変わらず、賃上げも実施したという。

ランチタイムは30分で、45分間集中して働いた後に5分間の休憩をはさむ。1日の始まりと終わりには、その日達成した内容を報告する。

これで生産性が大幅に高まり、トーレス氏によれば、それまで2~3カ月を要していたプロジェクトが1~2カ月で終わるようになったという。

トーレス氏自身も「朝は娘を学校に送って行くようになった。(終業後は)娘の宿題を手伝って息子に食事を食べさせ、時計を見るとまだ5時になったばかり」。

キャッシュフローも向上し、こなせる案件の数も増えた。ただし同社は従業員10人の小さな会社。異論をぶつけられることも多いといい、「この業界やあの業界ではうまくいかないとよく言われる。それでも私は常に、とにかく試してみるよう勧めている」とトーレス氏は話している。

情報源: CNN.co.jp : 1日6時間勤務、健康も生産性も向上か スウェーデンで実践 – (1/3)

成果が出るのなら就業時間が短いに越したことは無い。