【こんなご時世でも大ヒット】出版不況もなんのその 付録の「豪華化」で完売の雑誌が続出!!(1/3ページ) – 産経ニュース

最近は質も向上してるのかね。

ファッション誌に付録が付きだして10数年。“豪華化”が進み、ハンドバッグ、リュックサック、スマホ用品、衣料、陶器、化粧品…とバリエーションが広がっている。雑誌価格の数倍相当!?の品が付くこともあり、堅実な主婦層や若い世代を吸引。出版不況下でも完売が続出している。(重松明子、写真も)

雑誌付録を批評する「LDK」編集部の那須恵里香さん=東京都千代田区

毎月20誌以上の付録をチェック

「以前はいかにも…というチープな物が多かったが、今はワクワク感を裏切らない付録が増えたと実感。各誌の血と汗と涙の結晶ですね」

10万部を発行する主婦向け月刊誌「LDK(エルディーケー)」(晋遊舎)で3年前から「女性誌付録批評」の連載を担当する、那須恵里香さん(27)は感慨深げだ。

毎月20誌以上の付録を、見ばえ、素材、縫製、使い勝手などを評価してランキング。「今月のガッカリ」などと辛口批評に徹してきたが、最近の質の向上には兜(かぶと)を脱ぐ。

「人気雑誌は部数も多く、スケールメリットでおトク感のある豪華付録が実現できる。これは、都内の書店を駆けずり回ってやっと見つけた付録ですよ」と、黒い合皮のハンドバッグを手にした。

若者に人気の服飾ブランド「snidel(スナイデル)」の刻印。雑誌は1566円だから、正規品と似た形のバッグが数分の1の価格で買えるわけだ。

コラボするブランド側にとっては書店・コンビニの流通に乗って、大量の宣伝やサンプリングが全国に行き渡る。

付録が上出来なら、客・ブランド・出版社…まさに三方によし。雑誌の評判が高まり部数が増えると、さらなるスケールメリットが生まれる。この循環が付録豪華化のベースにある。

LDK (エル・ディー・ケー) 2016年 12月号 [雑誌]
LDK (エル・ディー・ケー) 2016年 12月号 [雑誌]

「リンネル」11月号の付録は猫柄ポーチ5個と猫柄シール(手前)。後ろは、完売号のリサ・ラーソン保冷バッグ3個セット

目の肥えた読者を驚かせるには…

12年前から全てのファッション誌(女性9誌、男性2誌)に付録を付けている宝島社では、昨春から全誌合同で情報やアイデアの共有を図り付録を強化。この半年で6誌も完売が続いている。

ナチュラル系の「リンネル」8月号(840円)は、付録に北欧ブランド「リサ・ラーソン」の保冷バッグ3点セットを付けて24万部が完売。取材時に書店に並んでいた11月号(890円)を手に取ると、誌面では猫特集が組まれ、付録には猫柄シールに猫柄ポーチが5個も付けられていた。「大小のポーチは実は縦横比率が全て同じ。生地から端切れを出さずコストを圧縮する裏技です。その半面、かけるところにはかけていかないと、目の肥えた読者を驚かせることはできない」と西山千香子編集長(47)。

付録の制作費は全て編集部でまかなう。ブランド側からはデザインなどを提供してもらい、人件費が安くノウハウを蓄積した国外工場で生産。「自分たちで使いたい、こうしたら便利というものを形にしている」と西山さん。

リンネル 2016年 08 月号 [雑誌]
リンネル 2016年 08 月号 [雑誌]
リンネル 2016年 11 月号
リンネル 2016年 11 月号

他国に類をみないビジネスモデル

西山さんが編集長を兼任する「大人のおしゃれ手帖」10月号(900円)のトートバッグには、鍵がすぐに取り出せるチェーンを付けた。この号はインターネット書店「アマゾン」レビューで「付録が豪華」と評判になり5点満点で平均4・5の高評価を獲得。コラボした「ズッカ」のプレス担当は「付録のクオリティーが安定しない時代であれば、ブランドイメージを落とす危険性も高いが、今の付録は商品並みに安定している」と信頼を寄せる。その上で、「多数の人が付録を手に街を歩いてくれるので、広告宣伝効果を期待しています」。

付録が目当ての複数冊買いも目立つ一方で、少数ながら編集部には「付録はいらないので、雑誌の値段を下げて」との声も届く。「頑張って作っているのに…と複雑ですが、誌面が評価されていると受け止めたい」と西山さん。

他国に類をみないビジネスモデルとして成熟した雑誌付録。業界では本体を含め厚さ3センチ以内と決められている。制約の中に凝縮した知恵と工夫。そもそもこんな芸当ができる出版社は、日本だけ!?

大人のおしゃれ手帖 2016年 10 月号
大人のおしゃれ手帖 2016年 10 月号

前は如何にもなチープなやつだったが。